休日の振替のルール 1年単位の変形労働時間制の場合

振替休日と代休はまったく違うもの

振替休日(休日の振替)と代休にも書いてありますが、振替休日と代休は内容が似ていますが、労働基準法上全く異なる制度です。

  • 振替休日は、あらかじめ(休日労働する前に)、替わりに休日になる日(本来の労働日)を指定して、休日と労働日を入れ替えるもの。
  • 代休は、休日労働をした後に、労働日を休みにするもの。

休日の振替では、労働日と休日が入れ替わるため、基本的には「振替前に休日だった日」に働いても休日労働の扱いにならず、休日労働の割増賃金も発生しません。

これに対して代休の場合には、割増賃金の支払が必要になります。

割増賃金の支払の分だけ休日の振替の方が労働者に不利益な気がしますね。そこで、休日の振替を行うためには要件というものがあります。

今回は、その要件の中でも、1年変形労働時間制を採用している場合の休日の振替の要件についてです。

1年変形労働時間制に関する休日振替の要件

1年変形労働時間制を導入している場合の休日の振替の要件は次の通りです。

  • 就業規則に根拠規定を設け、これによってあらかじめ振り替えるべき日を特定して振り替えるものであること。
  • 対象期間(特定期間を除く)においては、連続労働日数が6日以内となること。
  • 特定期間においては、1週間に1日の休日が確保できる範囲内であること。

1年変形労働時間制では変形休日制はできない

労働基準法施行規則において、連続して労働させられる日数は次のように定められています。

  • 連続して労働させる日数の限度は6日
  • 特定期間中の連続して労働させる日数の限度は、1週間に1日の休日が確保できる日数

この原則を守る限り、4週4日の変形休日制をとることはできません。

特定期間以外の週(対象期間の週)に、あらかじめ1日の休日しか設けていなかった場合には、翌週への振替はできないことになります。連続して労働させる日数が6日を超えてしまうからです。

法第三十二条の四第三項 の厚生労働省令で定める対象期間における連続して労働させる日数の限度は六日とし、同条第一項 の協定(労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度は一週間に一日の休日が確保できる日数とする。

労働基準法施行規則 第12条の4第5項