就業規則作成の料金相場と社会保険労務士の選び方

事業場に10人以上の労働者がいる場合には、就業規則を作成して労働基準監督署へ届け出なければなりません。実際に就業規則を作ろうとすると、法律の知識の確認や作成の時間などの手間がかかります。

就業規則作成の流れ

就業規則作成の一般的な流れは次のようなものです。

  1. 経営理念や経営方針の確認
  2. 就業規則(案)の作成
  3. 就業規則(案)のチェック
  4. 労働者への説明
  5. 労働者代表の意見聴取
  6. 労働基準監督署への届出
  7. 労働者への周知

就業規則は会社のルールブックですから会社で作るのが望ましいのですが、法律の知識という部分がネックになります。上記手順の2と3の部分で労働関連の法律の知識が必要になってきます。

就業規則の作成の依頼先

そうなると専門家に就業規則の作成を依頼することを検討することもあるのですが、どこに頼めば良いのかよく分からないのではないでしょうか?

インターネットの検索エンジンで検索をすると、大きく2つの専門家が出てきます。

  • 弁護士
  • 社会保険労務士(社労士)

どちらに作成を依頼しても大丈夫です。

弁護士の場合は労働関係を専門にした弁護士を選びましょう。弁護士であっても法律をすべて知っているわけではなく、労働法を専門としていない弁護士もいるからです。

一方、社労士は労働関係が専門分野の一つですので、労働関係が専門かどうかを判断する必要はありません。

とはいうものの、ホームページで就業規則の作成を代行しているような弁護士・社労士は、労働関係を専門にしていると思いますので、労働関係が専門かどうかをそれほど気にする必要はないでしょう。

一般的に、就業規則の作成やチェックは社労士に依頼することが多いようです。

何故なら、社労士は、労働・社会保険に関する法律にも詳しいだけでなく、実際に社会保険の加入手続き、給与計算、帳簿類の作成などの労務の実務に関与しているため、弁護士よりも企業から近いところで業務を行っている労務管理のプロだからです。

時々行政書士が作成を行っている場合がありますが、違法である可能性がありますので注意が必要です。

社労士を選ぶポイント

社労士に就業規則を依頼する際のポイントには次のようなものがあります。

  • 実績
  • 先生の人柄や性格
  • 費用
  • 得意業界
  • 受託内容

実績

就業規則にするためには、労務問題に詳しい必要があります。

考えられる労務問題を把握し、それに対応できる就業規則を作成していかないと、穴のあるいざという時に使えない就業規則が出来てしまいます。

ノウハウや実績が多い社労士に依頼するのが良いです。

先生の人柄や性格

すぐに判断できるものではなく、ある程度話を進めているうちに判断できることも多いので、ネットの情報や初回の打ち合わせ等で判断するのは難しいことなのですが、「話をしっかり聞いてくれているか」「動きは良いか」「信頼できる」など、人柄や性格が合うか合わないかは大切な要素になります。

費用

同じ質であれば、少しでも安く済ませたいのは当然です。

返金保証やキャンセル保証を設定している社労士事務所もあります。

就業規則作成の料金相場

作成についてのアドバイス、就業規則の内容チェック

5万~20万円

就業規則の作成自体は企業側で行い、作成後の内容のチェックや作成についてのアドバイスを社労士に行ってもらいます。

顧問契約を結んだ社労士なら無料で行ってくれることもあります。

就業規則の作成

10万~50万円

企業の現状に合わせて、社労士が就業規則の作成を行います。

人事制度の見直しまで行う

80万~

就業規則の作成だけでなく、人事制度の見直しなどのコンサルティングまでを一環で行います。

就業規則の作成に人事制度見直しのコンサルティングが付いてくるというよりも、人事制度見直しのコンサルティングに、改定された人事制度に合わせた就業規則の作成がついてくるというイメージです。

得意な業種・業界

業種・業界が違えば、労務管理に関するノウハウも違ってきます。同じ業種・業界での就業規則の作成や労務管理の実績がある社労士に就業規則を作成してもらう方が、よりトラブルに対応できる就業規則が作成できる可能性が高くなります。

委任内容

どこまでやってくれるのか

依頼した場合、基本的に労基署への届出まで行ってくれるとは思いますが、事務所によって方針の違いがあると思います。

どういう形式で納品してくれるのか

PDFやWordなどの電子データ、紙ベースでの納品などどのような形式で納品してくれるのかを確認しておくことは重要です。

社労士によっては、紙ベースでのみ納品するところもありますが、あとあと内容の修正などが不便です。また、電子データで納品してくれる場合でも、パスワードをかけて内容が編集できない状態で納品されるのも後から困りますよ。