パートタイム労働者用の就業規則の作成時に意見を聴く相手は?

正社員とは別に、パートタイム労働者用の就業規則を作成する事があります。

この場合、就業規則の作成や変更時の意見聴取を誰から行えばよいのでしょうか。

意見聴取は通常の就業規則と同じ

結論から書くと、「事業場の過半数労組(無ければ過半数労働者)から意見聴取を行う」となります。

つまり、「正社員の就業規則の作成や変更時と同じ」です。

上では端折ってしまいましたが、

過半数労組:事業場の労働者の過半数で組織する労働組合

過半数労働者:事業場の労働者の過半数を代表する者

です。

就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
労基法 第90条

パートタイム労働法と混乱

パートタイム労働者用の就業規則であっても、「パートタイム労働者の過半数」ではなく、「全労働者の過半数」の代表の意見聴取が必要となります。

他方、パートタイム労働法では「当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くよう努める」となっているため、頭が混乱してしまいますね。

事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。
パートタイム労働法 第7条

しかし、パートタイム労働法は努力義務であり義務ではありません。

もちろんパートタイム労働者の代表からも意見を聴く方が良いのですが、就業規則の手続きとしては、事業場の「全労働者の過半数」の代表からの意見聴取が必須となります。