配偶者の年収の壁2018年5月時点
- 2018.05.11
- 社会保険・労働保険手続
- 健康保険, 国民年金・厚生年金, 法改正, 税金
近年、社会保険の制度や税制が変わったことで、今までの被扶養者の「年収の壁」が複雑になりました。
複雑になった2018年現在の「年収の壁」をメモしておこうと思います。
「源泉所得税の改正2018」でも書いたように、また税制が変わり平成32年(2020年)から施行されるので、その時にはまた変更があるかもしれません。
配偶者の年収 6つの壁
現在の配偶者の年収の壁は5つ6つあります。
- 98万円
- 103万円
- 106万円
- 130万円
- 150万円
- 201万円
下記に具体的な内容を書いていきますが、配偶者といっても多くの場合は妻が被扶養者になることが多いので、わかりやすく表記を妻としておきます。
逆のパターンでもイメージがわくように括弧書きで(夫)と表記します。
例:被扶養配偶者 → 妻(夫)
ここでいう年収は、会社勤めで給与を貰っている人を想定しています。
98万円の壁
妻(夫)の収入が98万円を超えると、妻(夫)に住民税(所得割部分)が発生するようになります。自治体によって93万円-100万円と幅があるので確認が必要です。
103万円の壁
妻(夫)に所得税が発生します。
夫(妻)の所得税から配偶者控除が無くなり、配偶者特別控除が始まります。
夫(妻)に払われていた扶養手当が無くなる可能性がある。会社によって何を基準に扶養手当が払われているのか異なりますが、中小零細企業などでは配偶者控除の有無を目安にしている会社は比較的多いです。
106万円の壁
妻(夫)が一定の条件を満たすと、妻(夫)自身で会社の社会保険に入る必要が出てきます。つまり、社会保険料の支払いが発生します。
要件は
- 従業員501人以上の企業(500人以下でも対象となる場合あり)
- 週20時間以上勤務
- 月額8.8万円以上の賃金支払い(目安:年収106万円)
- 勤務期間1年以上見込み
- 学生ではない
106万円について
年収が106万円になった年を遡って社会保険に加入するわけではありません。
月額8.8万円を基準に判定するため、年収106万円は目安です。
詳しくは年金機構のサイトを参照してください。
130万円の壁
妻(夫)が夫(妻)の社会保険の扶養から外れます。
妻(夫)が自分自身で国民健康保険(国保)と国民年金に加入することになります。そのため、国保と国民年金の保険料の支払いが必要になります。国民年金は16,340円(平成30年度)、国保は前年の所得により金額が変わります。
ただし、年収が130万円を超えなくとも、妻(夫)が社会保険の対象となる働き方をしている場合には社会保険に加入することになります。
1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が3/4以上の場合です。
150万円の壁
夫(妻)の配偶者特別控除が段階的に軽減していきます。
夫(妻)所得税が少しずつ割高になると考えたらわかりやすいでしょうか。
201万円の壁
夫(妻)の配偶者特別控除が無くなります。
まとめ
98万円前後:妻(夫)に住民税が発生
103万円:妻(夫)に所得税が発生。場合によっては夫の扶養手当が無くなる
106万円:社会保険へ加入が必要になるかも
130万円:夫(妻)の社会保険の扶養を外れ、妻(夫)自身で国保と国民年金に加入
150万円:夫(妻)所得税が少しずつ割高になる
201万円:夫(妻)の配偶者特別控除が無くなる
今まで言われていた、130万円の壁は相変わらず一つの大きな区切りになるように思います。
社会保険の扶養を外れ毎月16,000円超の支出が発生するのが確実な130万円の壁は侮れません。
参照先
平成29年4月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用対象が広がります。|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2017/20170315.html
No.1191 配偶者控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm
No.1195 配偶者特別控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm
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