企業共同体の労働保険成立届
- 2017.05.11
- 社会保険・労働保険手続
共同企業体(JV)とは
共同企業体(JV:ジョイント・ベンチャー)とは、複数の建設企業が、1つの建設工事を受注・施工することを目的として作られた事業組織体のこと。
共同企業体(JV)の労働保険
労働保険の成立
JVでは1件の工事ごとに成立届が必要
通常、単一の企業による建設工事では、請負金額が一定額以下の場合、既に一括有期事業として保険関係の成立届が提出されていれば、特に保険関係の成立届を提出しなくても一括される有期事業として労働保険が成立する。
これと異なり、JVの場合には、請負金額にかかわらず、単独の有期事業として、1件ずつ有期事業の保険関係成立届の提出が必要になる。
提出書類
JVの労働保険を成立させるために必要な書類は、次の3点。
- 労働保険 保険関係成立届 (様式第1号)
- 労働保険 概算・増加概算・確定保険料申告書 (様式第6号)
- 共同企業体協定書(写)
共同企業体協定書について
共同企業体協定書は、共同企業体を構成している企業間で取り交わす協定書。
ひな形が、国土交通省にある。
JVの労働保険成立届等の書きかた
基本的な書き方は同じ
基本的な書きかたは、通常の保険関係成立届や概算保険料申告書と同じ。
兵庫労働局に参考となる画像がある。
兵庫県労働局 保険関係成立届 建設業・林業(単独有期事業)
兵庫県労働局 概算保険料申告書 建設業・林業(単独有期事業)
保険関係成立届の記入で、JVの場合に記入に悩む部分
OCR用になっている部分、事業所(17)~(20)の欄
ここは、JVの代表となっている企業のものを記入する。
右下、事業主(捺印)部分
ここもJVの代表となっている企業のものを記入するが、共同企業体名を冠につける。
例
共同企業体名:(株)A・(株)B経常建設共同企業体
(株)A 代表取締役 鈴木 a太
(株)B 代表取締役 佐藤 b郎
で、A社が代表企業の場合
(株)A・(株)B経常建設共同企業体 代表 (株)A 代表取締役 鈴木 a太
と記入し、(株)Aの代表者印を捺印する
概算保険料申告書で、JVの場合に記入が間違えやすい部分
(28)事業主(捺印)部分
上述の、保険関係成立届の右下捺印箇所と同じ。
共同企業体名を冠につけた、代表企業のものを記入する。
つまり、上の例の場合、
(株)A・(株)B経常建設共同企業体 代表 (株)A 代表取締役 鈴木 a太
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