自社の労働者以外の者を衛生管理者等に選任することについて(平成18年3月31日 基発 第0331004号)

通達 平成18年3月31日 基発 第0331004号

基発第0331004号
平成1 8 年3 月3 1 日

都道府県労働局長殿

厚生労働省労働基準局長
( 公印省略)

自社の労働者以外の者を衛生管理者等に選任することについて
衛生管理者又は衛生推進者(以下「衛生管理者等」という。)については、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第7条第1項第2号及び第12条の3の規定により、その事業場に専属の者を選任することとされ、昭和61年6月6日付け基発第333号「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行について」においては、事業場の危険有害要因につき知悉している者を充てるべきであるとの趣旨から、派遣中の労働者はその事業場に「専属の者」には該当しないとしているところである。

ところで、各事業場の製造工程、作業方法など固有の危険有害要因を知悉していることは、衛生管理に関して適切な措置を講じる上で欠くことのできないことであるが、危険有害要因の少ない業種において講ずべき衛生管理に関しての措置は、事業場の特性に左右される余地がほとんどなく、事業場の特性まで熟知しない者であっても、適切に講じることが可能であるため、自社の労働者以外の者であっても、一定の要件を満たす場合は、衛生管理者等として選任しても差し支えないと考えられる。

このため、今般、下記のとおり自社の労働者以外の者を衛生管理者等として選任することができる場合を明らかにしたので、関係者への周知を図るとともに、その運用に遺漏のないようにされたい。

第1 自社の労働者以外の者を衛生管理者等として選任することができる場合
1 事業主は、次のすべての要件に該当する場合には、自社の労働者以外の者を衛生管理者として選任できるものであること。
(1) 事業場について、安衛則第7条第3号のロに掲げる業種の事業場であること。
(2) 衛生管理者として選任する者について、第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許若しくは衛生工学管理者免許を有する者又は安衛則第10条各号に掲げる者であること。
(3) 衛生管理者として選任する者に係る労働者派遣契約又は委任契約(以下単に「契約」という。)において、衛生管理者が職務を遂行しようとする事業場に専ら常駐し、かつ、その者が一定期間継続して職務に当たることが明らかにされていること。

2 事業者は、1により自社の労働者以外の者を衛生管理者として選任する場合には、次の事項に留意するものとすること。
(1) 衛生管理者として行わせる具体的業務及び必要な権限の付与並びに労働者の個人情報の保護に関する事項を契約において明記すること。
(2) 事業場の衛生に関する情報等衛生管理者の業務の遂行に必要な情報を、衛生管理者として選任する者に対して十分に提供すること。
(3) 衛生管理者の能力向上に努めること。

3 事業主は、1の(1)及び(3)の要件に該当する場合には、自社の労働者以外の者を衛生推進者として選任することができるものであること。

第2 昭和61年6月6日付け基発第333号通達の一部改正昭和61年6月6日付け基発第333号通達の一部を次のように改正する。
記の5の(2)のイの(イ)のeを次のように改める。
安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者等、元方安全衛生管理者及び一定の規模の又は一定の業務を含む事業場の産業医については、原則として、その事業場に「専属の者」を選任しなければならないが、当該事業場の危険有害要因につき知悉した上で、安全衛生管理に関して適切な措置を講じることができる者を充てるべきであるとの趣旨から、派遣中の労働者はその事業場に「専属の者」には該当しないものであること。
ただし、則第7条第3号のロに掲げる業種の事業場の衛生管理者及び衛生推進者については、危険有害要因が少なく、派遣中の労働者であっても衛生管理に関して適切な措置を講じることができる場合は、派遣中の労働者であってもその事業場に「専属の者」に該当するものであること。