ひき逃げにあった場合、健康保険は使えるか
- 2016.09.02
- 社会保険・労働保険手続
- 健康保険, 病気・怪我
目次
ひき逃げにあった場合でも健康保険は使える
「通常交通事故には健康保険が使えない」と言われるが、現実には交通事故でも健康保険は使用可能。
最近、自動車による保険事故については、保険給付(健康保険にによる医療給付等)が行われないとの誤解が被保険者等の一部にあるようであるが、いうまでもなく、自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変わりがなく、保険給付の対象となるものであるので、この点について誤解のないように住民、医療機関等に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解させるよう指導されたい。
昭和43.10.12 保険発第106号
健康保険の登録医及び指定医療機関では、患者が被保険者証を提出した場合には、保険診療を拒否することができない。交通事故であっても同様。
国民健康保険登録医及び療養取扱機関は、患者から被保険者証が提出された場合には、保険診療を拒否することはできず、保険医は、直ちに、保険診療方針を設定し、患者に対して適正な診療を行なう義務があること前記のとおりであり、また、交通事故により受傷した患者に対しても、 原則として、保険診療を拒否することのできないことも前記のとおりであるから
昭和60.6.28判決 大阪地裁
ひき逃げ被害の場合には、第三者行為の届けを提出する
ひき逃げ被害の場合は、第三者による怪我のため、そのままでは健康保険が使えないが、「第三者行為による傷病届」を提出することで健康保険が使用できる。
医療機関で、「第三者行為による傷病届」を提出してある旨を伝えることで、通常通り健康保険が使えるようになる。
それでも拒否されたら
監督官庁への通報をすることで健康保険を使えるようになるが、心情的に別の医療機関を受診する方が良い。
地方厚生(支)局
交通事故で、健康保険が使えないのは次のとき
- 業務上の災害
- いわゆる労災
- 法令違反による負傷
- 無免許運転、飲酒運転など
- 加害者がいる(第三者による)怪我
交通事故で、健康保険を使うために
- 警察への届け
- 人身事故として警察に届け出る
- 交通事故が発生した場合は必ず警察に届け出る。
- 少しでもケガをしていれば、「人身事故」として届け出ること。
- 物損事故で届け出ると、健康保険からの給付が受けられなくなる(健康保険が使えなくなる)
- 人身事故として警察に届け出る
- 健康保険協会(医療保険保険者)への届け
- 第三者行為による被害(傷病)届の提出
- 交通事故証明書、事故発生状況報告書の提出
- 示談が成立していれば示談書のコピー
- その他念書などの書類