平均賃金の計算と端数処理
目次
平均賃金とは
算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額
締日があれば、締日を基準にして3か月間
平均賃金計算式
賃金総額 ÷ 総日数
賃金総額、総日数ともに、算定事由が発生した日以前3か月間のもの
最低保障額
最低保障額と通常の平均賃金の計算式で計算したものを比べて、高い金額の方を使う。
最低保障額の計算式は以下のaとbを合計したもの
- a 「月・週その他一定の期間によって支払ったもの」
- 賃金の総額 ÷ 総日数
- b 「日もしくは時間または出来高払制その他の請負制によって支払ったもの」
- 賃金の総額 ÷ 労働日数 × 100分の60
賃金総額、日数ともに、算定事由が発生した日以前3か月間のもの
平均賃金の端数処理
小数点以下第3位切捨て。(小数点以下第2位まで求める。)
平均賃金の計算手順は
- イ)「賃金総額 ÷ 総日数」の計算後、端数処理
- 最低保障額の計算
- a「(月・週その他一定の期間によって支払った)賃金の総額 ÷ 総日数」の計算後、端数処理
- b「(日もしくは時間または出来高払制その他の請負制によって支払った)賃金の総額 ÷ 労働日数 × 100分の60」の計算後、端数処理
- ロ)「端数処理したa」 + 「端数処理したb」
- (イ)と(ロ)を比較し、高い方を平均賃金として使用する。
上記の端数処理は、すべて「1銭未満を切捨て(小数点以下第2位未満を切捨て)」する。
平均賃金を利用するもの
次のような事由が生じた場合に、平均賃金を利用する。
平均賃金を利用するもの | 算定事由が発生した日 |
---|---|
解雇予告手当 | 解雇予告日(通告日) |
休業手当 | 休業日(連続している場合は、最初の日) |
年次有給休暇の賃金 | 年次有給休暇を与えた日(連続している場合は、最初の日) |
災害補償 | 事故発生の日または診断により疾病の発生が確定した日 |
減給の制裁 | 減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日 |
平均賃金を使った各手当等の計算と端数処理 例
休業手当の計算と端数処理
「平均賃金 × 60/100 × 日数」を端数処理
小数点以下四捨五入。
「平均賃金 × 60/100」の時点では端数処理しない。
労災保険 給付基礎日額の計算
20万円×3か月÷92日 ≒6,521円73銭
(なお、給付基礎日額に1円未満の端数がある場合は、これを1円に切り上げ)
給付基礎日額=6,522円
休業4日目以降について、労災保険から支給される1日当たりの給付額を計算すると、
保険給付 (6,522円×0.6)=3,913円20銭・・・・・・・・・・(1)
特別支給金 (6,522円×0.2)=1,304円40銭・・・・・・・・・・(2)
(1円未満の端数を生じた場合には、これを切り捨てます。)
合計 (1)+(2)=3,913円+1,304円
=5,217円
休業補償の計算方法を教えてください。|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei34.html